益城町役場の産業振興課で商工観光係を務め、現在の企業誘致計画に深く携わっている原田将吾さん。
原田さんは平成28年に益城町役場へ入庁し、その約2週間後、益城町で震度7を記録した熊本地震を経験。震災による多大なる被害から立ち直っていく益城町と地域産業、そして地域住民の姿を見守ってきました。
現在、企業誘致に積極的な姿勢をみせ、手厚い優遇補助制度も整備している益城町ですが、どのような課題を乗り越えて今の姿になったのでしょうか。
益城町の企業誘致プロジェクトに度々参加してきた原田さんが、これまでの取り組みや過去の益城町について振り返ります。

【関連エピソード】

原田将吾さんの経歴

  • 平成28年:益城町役場へ入庁。同年4月に熊本地震を経験し、環境衛生課で公費解体担当として勤務
  • 平成29年〜令和元年:益城町役場税務課、徴税担当として勤務
  • 令和元年〜3年:益城町役場福祉課、障害福祉サービス担当として勤務
  • 令和3年:益城町の企業誘致推進担当として、産業振興課商工観光係に配属
  • 現在:企業誘致推進のための産業団地整備事業や町内外企業との折衝、町内商工事業の活性化を推進する業務に従事

熊本地震をきっかけに誕生したのが『攻めの企業誘致計画』

ー熊本市のベッドタウン、農業の町として栄えてきたのが益城町

益城町は、政令指定都市である熊本市の東部に隣接する人口約33,000人の自然豊かな町です。益城町はベッドタウンのような役割を担ってきました。また、農業の町として栄えてきた歴史もあります。
企業誘致に関しては、阿蘇くまもと空港の近くにあること、益城町内にあるインターチェンジが二箇所あることが優位性となっています。さらに、県営の工業団地や民営の産業団地・工業団地も点在しており、誘致企業様にとって恵まれた環境だと言えます。

ー過去の益城町は企業誘致に対してそれほど積極的ではなかった

益城町が過去に県外の企業様に積極的なアプローチをしてきたかと言うと、正直そうではありませんでした。これまでの益城町では積極的に企業誘致に取り組む必要性がそこまでないと考えられていたからです。
そんななか、平成28年4月16日に震度7を記録した熊本地震が発生しました。
日本のこれまでの歴史でもなかったような規模の地震が立て続けに発生し、その震源地となった益城町は多大なる被害に見舞われたのです。益城町内では、一部損壊という最も軽い被害も含めて、9割以上の建造物が被害を受けました。

ー復旧・復興に向けて策定した『攻めの企業誘致計画』

熊本地震からの復旧・復興に取り組むなかで、町全体から益城町の産業や企業誘致に対する強い期待と要望が寄せられました。
そのような背景もあり、これまで益城町で受け身だった企業誘致の体制から脱却して、「攻めの企業誘致に取り組んでいこう」という改革が行われたのです。
私は平成28年4月に益城町役場に入庁しましたので、約2週間後に熊本地震を経験しました。当時は税務課に配属されていたのですが、通常業務が全くできない状況でしたので、公費解体を担当する環境衛生課へ急遽異動することになりました。それから1年間にわたって、町内の被災した家屋を公費を使って解体する事業に携わっていました。

令和元年、企業誘致推進プロジェクトが本格的に始動開始

ー令和元年に『企業誘致推進ワーキンググループ』が誕生

益城町の地域経済に関しては、交流人口・関係人口・定住人口の増加や、町内における雇用機会の創出、町内事業者の増加、にぎわいの活性化を課題としていました。
震災前の益城町の組織を振り返ると、商工観光係は存在していましたが、企業誘致に対する取り組みは現在ほど濃いものではありませんでした。
益城町で「企業誘致に本腰を入れて取り組んでいこう」という流れができたのは、震災以降です。
令和元年には、庁内を横断する形で『企業誘致推進ワーキンググループ』が誕生しました。同ワーキンググループは益城町役場内の組織であり、主に若手から中堅の職員が集まって、今後の町の方向性について議論を重ねていきました。

ー『益城町企業誘致戦略2020〜2024』に基づいた企業誘致が本格始動

当時、私は企業誘致を担当する産業振興課ではない部署にいましたが、他の部署に所属している若手・中堅職員の代表としてワーキンググループに参加しました。
ワーキンググループの主な活動内容は、「企業誘致によって益城町にどのような変化が生まれるのか」「どのような場所に、どのような規模・業種の企業様を必要としているのか」といった議論を通じて、町内の考えを整理していくことです。
その結果、益城町での企業誘致に向けた課題や取り組み方、体制などを取りまとめた『益城町企業誘致戦略 2020〜2024』が策定されました。

益城町企業誘致戦略2020~2024(PDF:1.55MB)

そして、益城町での企業誘致プロジェクトが本格始動したのです。

益城町は起業家に対する創業支援支援等事業も手厚い

ー国に認定された創業支援等事業で起業家を応援

益城町では、かねてより創業支援に力を入れておりまして、平成27年(2015年)5月20日から経済産業省・総務省から認定された創業支援等事業を実施しています。
本事業の内容は、益城町商工会をはじめ、県内の金融機関や産業支援財団、大学、まちづくり会社などが協力して起業・創業支援を行政として行うというものです。

益城町創業支援計画概要(PDF:254.8KB)

「益城町で起業したい」とご要望があった場合、創業者様を商工会などの機関とスムーズにお繋ぎしています。そして、一定期間において相談窓口や個別創業セミナーの実施、インキュベーション事業などで創業を手厚くサポートしています。

ー事業の初期投資を抑えられる補助制度も整備

益城町としては、創業者様に『起業創業事業費補助金』を設けていますので、設備費・改修費などの初期費用を抑えていただくことが可能です。ここ3〜4年の間に、起業創業事業費補助金を活用して起業された方が非常に多くみられています。
事業者様に対してご用意している様々な優遇補助制度は、益城町への進出と新規事業展開を強力にバックアップするものです。
実際、この数年で益城町に新たな企業様と事業が増えてきていますし、私たちが目指している『町のにぎわい創出』に少しずつ近づいていると感じています。


ー原田将吾(益城町役場 産業振興課 商工観光係 )

益城町が設けた優れた優遇補助制度を紹介

攻めの企業誘致計画を策定した益城町では、企業進出時のコストを大幅に抑制できる魅力的な補助制度をご用意しています。

①優遇補助制度

企業立地に伴う土地取得・施設/設備・賃料・雇用などにかかるコストに対して、以下のような補助金が適用されます。

熊本県が設けた補助制度と併用することで、さらなるコスト削減が可能です。雇用に関する補助は、正社員に限らず非正規社員の従業員を雇用した場合でも適用されます。

益城町立地促進における補助金要件の確認やお問い合わせ、補助金額のシミュレーションのご用意はこちらから

益城町起業創業事業費補助金

益城町で新たな事業を始める方、または新たな分野に進出する事業者様に対して、最大100万円(補助率1/2以内)の補助金をご用意しています。

益城町起業創業事業費補助金を活用されたい事業者様は、お気軽に益城町産業振興課商工観光係、もしくは益城町商工会までお問い合わせください。
TEL:096-289-8307(町)
TEL:096-286-2551(商工会)
借入金利子を一部補給する益城町中小企業融資金利子補給制度もご用意しています。

益城町利子補給金制度概要(PDF:492.8KB) 

進出・補助制度に関するその他のお問い合わせ

益城町へ進出希望の企業様や優遇補助制度を詳しく知りたい方、シェアオフィスを実際にご覧になりたい方などは、何でもお気軽にご相談ください。

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