多種多様な属性の人が共有スペースに集まり、アイデアと交流を生み出すコワーキングスペースは、企業様の地方進出における新しい活動拠点になり得る場所です。

熊本地震の多大な影響を受け、地域復興に精力的に励んでいる熊本県益城町には、中高生の憩いの場となっているコワーキングスペース『Connet（コネット）』があります。

高校がない益城町において、Connetは普通のコワーキングスペースにはない特別な価値を持っており、益城町の若者と企業様のタッチポイントを創出する場所にもなっています。

Connetが地域の学生に愛されている理由や目指している理想の姿について、運営に携わる『株式会社未来創成ましき』の担当者様に詳しくお話しを伺いました。

Connet（コネット）の施設概要

Connet（コネット）は、中高生をメインとした幅広い層のお客様に利用されている、益城町のコワーキングスペースです。

木のあたたかさ、やさしさを感じられる内装デザインになっており、気軽に使えるテーブル席、会議や待ち合わせに適した和室、さらには日当たりの良いテラス席まで用意されています。

Wi-Fi完備で電源も各席で供給しやすく、複合機や無料のドリンクバーも設置されているため、十分な機能が備わったコワーキングスペースです。

Connetにはアットホームな雰囲気があり、利用者同士や利用者とスタッフで和気あいあいとコミュニケーションを取っている姿がよくみられます。

シェアオフィス『テノック』と隣接しており、双方の利用者が交流するコラボイベントも不定期に開催されています。

人と人が繋がり、ネットワークが広がる場所を目指して

ーConnet（コネット）が設立された背景をお聞かせください。

ー中村さん（未来創成ましき）

Connetは、2021年12月に設立されたコワーキングスペースです。設立する1年ほど前から、「益城町にコワーキングスペースを作ろう」という計画が進められており、まちづくり会社の『未来創成ましき』と益城町役場で議論を重ねてきました。

実は、益城町には高校がないんです。中学を卒業すると益城町から外に出てしまう子どもが多く、何か活動をするにしても「益城町ではなく外でやろう」という考えになりがちです。そこで、中高生や大学生が気軽に集まれるスペースを作り、少しでも益城町にとどまる理由となれるコワーキングスペース『Connet』を設立することになりました。

Connetを設立した理由はもう一つあります。オープン当時、私は創業支援を担当していたのですが、女性起業家の方からの相談が増えてきた時期でした。「益城町に起業活動をするためのスペースがあれば助けになれるだろう」という想いもあり、Connetが誕生しました。

ーシェアオフィス Tennoc（テノック）と隣り合わせで設置されている意図をお聞かせください。

ー中村さん（未来創成ましき）

たまたま隣同士で敷地が空いていましたので、「ConnetとTennocを向かい合わせで設立すれば、相乗効果が生まれるのでは」という話になりました。

例えば、Connetを利用する高校生が何か企画をする際、テノックにご入所されている企業様がその企画に関わることができます。逆に企業様がConnetでイベントやセミナーを開催する際、日頃のご利用者様である中高生や大学生の参加を促進できるのは大きなメリットです。

ーConnet（コネット）という言葉に込められた想いをお聞かせください。

ー中村さん（未来創成ましき）

Connetという名前は、学生さんに命名してもらいました。Connetは、コネクトとネットを掛け合わせた造語です。繋がり、ネットワークが広がっていくという意味を持っています。

Connetは「人と人が繋がれる場所になりたい」という想いが込められたコワーキングスペースであり、最終的には学生さん同士が巡り合い、賑やかに活動できる場所を目指しています。

現状では、中高生を中心として、大学生や一般のフリーランスの方々に幅広く利用していただいています。何気なく同じ場所に集まり、一緒に勉強や仕事を頑張ることで「ここには仲間がいる」という意識が芽生える場所になってきていますね。

Connetには大学生スタッフが多数おり、ご利用者様の学生さんや一般の方々と積極的にコミュニケーションを取っていますので、新しい繋がりをつくれる場所になっています。

利用者とスタッフの距離が近く、いつ訪れても安心感がある

ーConnetの現状のご利用状況についてお聞かせください。

ー中村さん（未来創成ましき）

オープン当初に関しては、高校生のご利用者様が0人という日も多々ありましたね。ですが、大学生スタッフが丁寧にコミュニケーションを取ってくれたこともあり、どんどん利用者数が増えていきました。

今では毎日のように使ってくださる高校生もいますし、一日中ご利用者様が使ってくださる日も珍しくないほど認知度が高まりました。

ーConnetのご利用者様の特徴についてお聞かせください。

ー中村さん（未来創成ましき）

Connetのご利用者様は学生さんが大半ですね。というもの、中学生にはオープン当初から無料で開放しており、現在もその無料サービスが継続しています。

オープン直後に最も多かったご利用者様が中学生であり、勉強をしているときもあれば、仲間で集まって会話を楽しんでいる姿もみられました。男女比で見ると女性のご利用者様が多かったですね。

Connetの認知が少しずつ広まったこともあり、2023年度に入ってからは高校生のご利用者様が多くみられるようになりました。今では中学生よりも高校生の方が多いくらいです。

休日のご利用者様はほとんどが学生さんで、受験シーズンになると受験生が朝から晩まで利用するケースもあります。基本的には皆さん一人で作業をされていますが、作業の前後や休憩時にスタッフとコミュニケーションを取ったり、学校の課題に対して相談を求めたりするケースもあります。

ーConnetは、なぜ多くの学生さんに選ばれているのでしょうか？

ー中村さん（未来創成ましき）

Connetが選ばれる大きな理由として『安心感』があると思います。いつ訪れても友達や顔見知りの人、お馴染みのスタッフと会えるのがConnetですし、中高生でも気軽に利用しやすい環境と雰囲気があります。

都会のコワーキングスペースと比べて、スタッフとご利用者様の距離感がかなり近いですし、居心地の良さはConnetの魅力ですね。

ーフリーランスの方なども定期的に利用されていますか？

ー中村さん（未来創成ましき）

学生さんと比べると少ないですが、もちろん一般の方もご利用してくださっています。例えば、平日の日中は、テレワークや資格の勉強で来られる方もいれば、外回り営業の途中でご利用される方もいます。

月額5,000円のご契約されている方は、Connetを事務所のように活用されていますし、大変使い勝手が良いコワーキングスペースだと思いますよ。

ーConnetの施設環境・設備に関するメリットをお聞かせください。

ー中村さん（未来創成ましき）

Connetは事前に予約する必要がなく、すべてのスペースをご自由に利用していただけます。ご利用者様には無料でドリンクバーを提供しており、スタッフがおすすめする漫画・本、ボードゲームなどで気分転換をすることもできます。

木の温もりが感じられる開放的なリラックス空間、お洒落な照明とシンプルなインテリアなどからも居心地の良さを感じられますよね。

学生と企業、そして地域とのタッチポイントを生み出す場所になってきている

ーConnetではイベントなども定期的に開催されているのでしょうか？

ー中村さん（未来創成ましき）

一般的なコワーキングスペースとしての活用以外にも、不定期開催のイベントで利用するケースがあります。例えば、過去には中学生のアイデアコンテスト、マルシェ、IT企業様の企画による学生向けWebマーケティング講座、就活セミナーなどを開催しました。

隣にあるシェアオフィス『テノック』に入られている企業様と学生さんのタッチポイントを生み出せる場所になってきていますね。益城町で活動されている学生団体がミーティングなどで利用されるケースもあるんですよ

ー益城町の学生団体は、どのような活動で利用されているのでしょうか？

ー松山さん（Connet学生スタッフ）

僕がリーダーを務めている学生団体は、益城町でスポーツイベントを定期的に開催していて、基本的に運営のメインを学生が担当しています。

Connetの利用目的は、イベントの企画会議やミーティングなどです。Connetを日頃から利用している学生だけではなく、他のメンバーも含めてイベントの企画から実施まで協力して行っています。

益城町は熊本地震を経験した町です。ですから「人と人の繋がりをつくっておくことが大切である」と学生一人ひとりが認識しています。そこで僕たちは、「スポーツを通して繋がりをつくっていこう」というコンセプトを掲げて、イベントを企画・開催しています。

ーこれまでどのようなスポーツイベントを企画されたのでしょうか？

ー松山さん（Connet学生スタッフ）

初めてスポーツイベントを企画したのは、僕が高校一年生の頃でした。そこから二年くらい経っていますが、その間に11回くらいイベントを開催しています。

サッカーやバドミントンなどのメジャースポーツをテーマに取り上げて、子どもだけではなく、両親や祖父母も含めてみんなで盛り上がれるイベントを企画してきました。

今注目されているeスポーツや、ボッチャやブラインドサッカーなどのアダプテッドスポーツなども過去に採用してきました。

現在もコミュニケーションを取りやすいスポーツを通じて、地域の皆さんの繋がりを深める活動を頑張っているところです。

自分の価値を持ち込みやすく、共感してもらいやすいのがConnetである

ー最後にConnetの『価値』とは何かお聞かせください。

ー松山さん（Connet学生スタッフ）

Connetの価値とは何かを考えたとき、「価値は提供するモノではなくて、利用者さんが見つけてくれるモノ」だと思いました。

Connetは利用者層が幅広いですし、元々「中高生の居場所になりたい」というところから始まったコワーキングスペースです。

こちらからご利用者様に何かを仕掛けることがあっても、施設の雰囲気づくりや場作りを1から100までやるわけではありません。利用者さんが「どのようにConnetを活用していけるか」を一緒に考えていきながら、利用者側にとっても提供者側にとっても特別な価値を見い出していきたいです。

最終的には、Connetに関わるすべての人が気持ちよく利用できる施設でありたいですし、「なんかあそこの施設って雰囲気いいよね」と認知されていけば嬉しいです！

ー中村さん（未来創成ましき）

全くもって同感です（笑）みんながConnetの価値を自分で見い出そうする。それが私たちが提供できる価値なんですよね。

「うちはここが優れているから是非使ってください」という一方的なアプローチではなくて、「あの施設は自分の価値を持ち込みやすい」「誰かと価値観を共有しやすい」と思っていただけるコワーキングスペースを目指していきたいです。

現場の女性スタッフさんにも直撃インタビュー

Connet創業から現在まで在籍されている女性スタッフ 守口さんと、現場で働かれている大学生の女性スタッフ 西さんにもお話しを伺ってみました。

ー創業時と比べて、Connetにはどんな変化がみられましたか？

ー創業以来の女性スタッフ 守口さん

Connetは「学生さん向けのコワーキングスペースを作ろう！」という企画・実証を目的として誕生した施設です。オープン当初と比べると中高生のご利用者数がかなり増えましたね！

日中はフリーランスなどの一般の方、夕方以降は学生さんに利用していただきたいと思っていましたから、今はその理想に近づいてきたところです。土日に満員になる日もあるくらい沢山の方にご利用していただいていますし、「だいぶ益城町に浸透してきたのかな」と実感することがあります。

休日に和室で待ち合わせをする学生さんもいるくらい、本当に気軽に来ていただけるコワーキングスペースなんです！

ーご利用者様はどのようなきっかけでConnetの存在を知るのでしょうか？

ー創業以来の女性スタッフ 守口さん

広告・SNSでの宣伝活動に特に力を入れているわけではなく、自然と認知されてご利用者様が増えてきました。

Connetでは、同じ高校に通っている学生さんが多くみられますし、友達づてで口コミが広がったことが集客に繋がっていると思います。

一般の方の場合、Instagramやインターネットで存在を知って来られる方もいます。あとはイベントですね。2023年の春にConnetでマルシェを開催したんですが、地域の皆さんが沢山来てくださって嬉しかったですね。

ー学生さんだけではなく、フリーランスの方も利用しやすい施設ですよね

ー創業以来の女性スタッフ 守口さん

そうなんです！例えば、資格取得を目指しているフリーランスの方が、継続的に利用してくださることがあります。その方は、カフェで資格の勉強をしていたそうですが、お店に長時間滞在するとスタッフさんに気を遣いますし、コストが割高になることもあってConnetに来られたそうです。

お勉強でもお仕事でも作業が捗る環境が整っていますし、私たちスタッフも丁寧にサポートしたりコミュニケーションを取ったりしたいですね！

ーConnetはこれからどのような姿を目指していきたいですか？

ー女性の大学生スタッフ 西さん

「誰にとっても、アットホームなコワーキングスペース」になりたいですね。学生さんだったら「学校帰りにConnetに寄って、課題を終わらせちゃってから家に帰ろうよ！」みたいな。そんな気軽な使い方をしてくれるご利用者様が増えると嬉しいです！

ー創業以来の女性スタッフ 守口さん

大学生のスタッフさんが多く働くなか、私はひとり大人なので、学生さんを「おかえりなさい」と迎えてあげるお姉さん的な存在でありたいですね（笑）お勉強が終わって帰るときにも「明日も頑張ってね！」と温かく送り出して、Connetという第二のホームを守っていきたいです。

益城町の”人”と繋がり、ビジネスの可能性を広げませんか？

益城町では、進出企業様に対する手厚い優遇補助制度をご用意しています。

▼製造業・卸小売業者様などに向けた優遇補助制度の例

• 【益城町】土地の取得額1/10を補助（最大2億円）
• 【益城町】固定資産税額1/4を補助（最大5000万円/年×3年間）
• 【益城町】正社員50万円/人、非正規社員25万円/人の雇用補助（合計最大5000万円）

▼オフィス系企業様に向けた優遇補助制度の例

• 初年度の設備投資を1/3補助（最大100万円）
• 通信回線費用＋賃料を補助（最大100万円/年 補助率1/2）×4年
• 新規正社員雇用補助20万円/人
• 非正規社員雇用補助10万円/人（最大計100万円/年）×3年間

益城町のまちづくり会社『未来創成ましき』をはじめ、益城町役場、商工会が連携して、進出企業様と地域の企業・住民を繋ぐサポートを行なっております。

『Connet』の隣にあるシェアオフィス『テノック』は、進出企業様がお気軽に入退去しやすい料金体系で運営しており、設備も充実しています。

『Connet』のご利用者様と関わることができるコラボイベントも今後計画していく予定となっていますので、ぜひ益城町にお越しになって施設をご覧になってみてはいかがでしょうか。

コワーキングスペース『テノック』、シェアオフィス『テノック』、そして益城町の優遇補助制度や企業誘致サポートに興味のある方は、何でもお気軽にお問い合わせください。

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